A.T
    

アーティーは幻の人形なのだそうです。
残存数が少ないと言う事は
工房の規模がそれほど大きくなかったからか
操業期間が短かったせいか、あるいはその両方か・・・。
高嶺の花はいつも人々の想像をかきたて羨望させるものです。

展示会で一番にお迎え先が決まるのはアーティーが圧倒的に多いとか。
そういえばアーティーの顔立ちは(モールドにもよりますが)
割と現代人形に通じる平均的美人型のようです。

オーソドックスな美しさ、可愛さが特徴であるにもかかわらず
と言うよりだからこそかもしれませんが、アーティーは実に作りにくい人形です。
「可愛いだけじゃダメかしら?」というフランス映画があったけど、まさにそれ!

アイカットや眉毛と睫にこれといった特徴が無く、
アーティーらしさをアピールするとすればあのややしっかり目の下唇くらいです。
思いっきり気合を入れて作らないとただの明るい可愛い子になってしまうので
目標とする子の画像とにらめっこしなから絵付けします。

画像を見ながら絵付けするのはアーティーに限らずどのタイプもそうですが
特に必死で見てるのがアーティーを作る時です。
解けない謎を解くように、とは少し大袈裟ですが
作るにあたっては数ある工房の中で最もとらえどころが無く
パズルを解いているような感じにさせてくれる人形です。
あるいはゲームをしているような、と言ったほうがいいかもしれません。
まるでアーティーらしさという鍵を探して進むロープレ、
たぶん終了しないゲームですけど。

私の場合どんなアーティーを理想とするのかと言うなら
将来の凄絶な色香を秘めた、まだ清純で可愛い少女のアーティー。
そう星ビルのあの子のようなゾクッとする鳥肌もののアーティー。
アーティーを作る時、ほとんどの人は星ビルのあの子を頭に描くのではないでしょうか。

がんばって作ってればいつか私にも神が降りてあんなアーティーが出来るかも。
(無神論者ですけどね)
ここまで来ればそう思うしかないでしょ、がんばります・・・きっつーいけど。